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嫌われる勇気


話題になっていた本をようやく読みました。

基本的に図書館ラバーなので

めったなことでは本は買わずに我慢、我慢。

この本も半年待ちで手にしました。

『嫌われる勇気』

日本ではあまり馴染みがありませんが

フロイト、ユングと並び心理学の三大巨頭と言われるアドラーの思想を熟知した著者が

青年と哲人の対話形式をとってアドラー思想を伝えてくれる本です。

青年のオーバーリアクションに都度釘付けでしたが

それはさておき

内容はとても良いです。

著者のあとがきに

「アドラーの死後半世紀以上たった今も彼の思想の新しさに、時代は追いついていません」とあります。

私も読んでいく途中何度も耳が痛いぞーとなりました。

アドラーの思想ではトラウマをまず全否定します。

今まで上手くいかない理由をトラウマで片付けていた人には

手厳しい内容です。

原因があって、今の上手く行かない状況があるのではない。

目的が先にある、というのです。

例えば、両親からの体罰がトラウマとなり、上手く社会生活が営めない。

という人がいたとします。

アドラー思想では

会社にいかない、という目的がまずある。

会社にいかなければ傷つくことも、上手くやれないこと、出世できないことも起こらないので

そうするために原因を探した、と考えます。

体罰さえなければ、それによるトラウマがなければ自分は上手くやれたのに、あぁ残念だ、

という言い訳はできなくなります。

全てにおいてその人にとっての最も得たいものを既に得ている状態というのです。

また人の課題と自分の課題を分けなければならないと。

人は馬を水辺まで連れて行くことはできるが

馬に水を飲ませることはできない、

という例えが何度も出てきます。

タイトルにある嫌われる勇気は

嫌われてもいいから好きに生きろー、というものではなくて

人が自分を好きかどうかは人の課題であって、自分の課題ではないのだから

気にするべきではない、ということ。

『他者の評価を気にかけず、

他者から嫌われることを恐れずに

承認されないかもしれないというコストを支払わない限り

自分の生き方を貫くことはできないのです。』

目の前にあることに集中し、『今ここ』に心をおいて一生懸命やるんだ、というような感じでしょうか。

課題を分けるについては

例え自分の子供であっても分けるべきと言います。

勉強をしない、会社に行かない、といった困ったことがあっても

それはその子供の課題である。

親の課題ではない。

もちろん親として水場に連れて行くことはします。

あと実際に水を飲むかどうかは本人次第。

親の課題ではないのです。

評価の発想から離れ

誰とも比べる事なくそこにいてくれることを喜び感謝していく。

存在そのものに声をかけていく。

うーん、難しいです。

だけど

実際のところ、子供を対等の人間として扱う場合

これが正しいのかもしれない、と思いました。

なかなか奥が深いので

もう一度読んでから返却しようと思います。

にっちもさっちもいかない、という人にもお薦めですが

秋の夜長に一つの読み物としても面白いですよ〜


 
 
 

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